新規プロジェクト
5月に入ってカレンとの仕事も一段落した。最終的にはPCRプロダクトをQIAGENのキットで精製してシーケンシングは外注とのことだったのだが、最後の最後で全サンプル50個を精製するのがきつかった。簡単な作業なのだが、2本ずつあるチューブをまとめて精製するのに間違えないように気を遣うのが大変だった。私はうっかりミスが多いタイプで、自分で欠点に気づいているだけに注意を払うのに本当に力がいる。精製の作業よりもチューブを間違えないことの方が大変なのだ。同じサンプル名が何個も入っていたりしてそれもどうした物かと思ってしまう。まあ、カレンが気にしていないようなので気にしないようにした。
そして精製のためサンプル表をチェックしていると、またしてもうっかりミスに気がついた。ミスってほどではないが、2サンプルまだPCRをやっていない物があったのだ。あーあ。しかもこの日で最後のサンプルのPCRを仕掛けたところだった。この反応が終わってからまたかけ直さないと行けないのでいろんな作業が2倍になってしまった。がっくり。PCRが終わるまで、少しずつ精製作業を進めたが本当にきつかった。結局9時半から始めて、すべての作業が終わったのは午後5時半だった。1時間休憩を取った物の、立って作業をするタイプの実験台のためほぼ6時間以上立ちっぱなしだった。本当に疲れた。
その日そんなにがんばったのはカレンから火曜日中に全部終わらせてねと言われていたからだったが、サンプルをもってカレンの所に行くと「来週の月曜日に発送だからそれまでフリーザーに入れておいて」と言われた。『・・・なんだかなぁ。。』来週発送なら今日全部終わらせなくてもよかったんじゃぁ・・と心の中で思った。
やはり英語での会話が苦手なため、細かいところが確認できずに無意味なことをやってしまうことが結構多い気がする。ふーむ。まあいいけど。。あー、今気づいたが月曜日私は休みのはず、カレンは土曜日に博士課程のプログレス発表があるらしく金曜日に話しかけにくくて来週の話をしていなかった。こっちもうっかり月曜日は出勤しないことを忘れていたので引き継ぎの準備をしてこなかった。また呼び出されるのだろうか?面倒だ。
火曜日は実験室を行ったり来たりしていた時に教授がカレンと話しているところに出くわした。教授が「ハ~イ、かまやつ。いま君のことを話していたんだよ。お給料をもっと出すことにしたから、たくさん働いていいからね。」と言ってくれた。そしてカレンが「新しいプロジェクトが始まるわよ!」と。かなりうれしいじゃないですかぁ~。今までよりも給料がたくさん出る=working timeを気にせず、好きなだけ働けるということだ。しかも以前の3倍以上の金額を出してくれるそうだ。これって一応私の仕事っぷりを認めてもらえたってことだよね。でも旦那は渋い顔。旦那は本当は私に自分の仕事を手伝ってもらいたかった。が、どういう訳か学生の仕事を私がしているのが気に入らないのだ。学生が面倒なことを私に押しつけているだけなんだからがんばらなくて良いというのが旦那の本心。微妙だね。ただ、今までは旦那の手伝いは無給でやっていたけど、今後は有給で手伝えると思って良いのだ。
カレンの仕事を振り返ってみると、培養菌体からゲノム抽出が30個ほど、PCRが50サンプル(実際は80サンプルくらい)、PCRプロダクトの精製が50サンプルという仕事内容だった。ちょっと時間が掛かりすぎた気がする。物がそろっているラボでこの仕事をしたならばもっと早く終わったような気がした。まあカレンはこの仕事を昨年の6月から始めて全然進んでいなかったので、そこを考えにいれれば早かったと言ってよいかも。。
ところで次のプロジェクトはまたPCRがらみだ。カレン曰く「Because you are a PCR queen ! 」だそうだ。この言葉は何度も言われているがいまいちピンとこない。私は何も特別なことをしていないのだ。ただ試薬を混ぜて決められた条件のプログラムを回すだけ。ふーむ。何度もマジック!とかミラクル!!とかいう言葉も言われているが非常にリアクションに困るのだ。。。
もらった論文を読んでみたところ微生物の同定のために今まで行っていた手法(カレンとやっていた仕事がこれだ)とは違った新しい方法について書かれていた。カレンにいくつか質問したところ「アイザックの仕事だから彼に聞いてみて」とのこと。ほえ
アイザックの仕事なのね。と、おばさんはニヤニヤしてしまったのだった![]()
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